バイヤーが工場へ足を運ばない理由とは? CPF合格者インタビュー②vol.4
CPFホルダーの
東京電力ホールディングス株式会社
経営企画ユニット グループ事業管理室 調達管理グループ 能力開発担当課長
谷口 正洋 様
に事務局の勝田がインタビューをしました。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
バイヤーが工場へ足を運ばない理由とは?
勝田
CPPのテキストには、バイヤーは可能な限り現場へ足を運ぶよう書いてあります。
私どもでは昨年、購買調達にかかわるバイヤーを対象に実際にサプライヤーのところへ足を運んでいるかどうかを問う実態調査を行いました。
200人ぐらいが回答を寄せてくれましたが、実際に定期的に足を運んでいる人は3割ほどしかいませんでした。
谷口
意外と少ないですね。
勝田
みなさんとも忙しい余り、大事なところが抜け落ちてしまっているという印象を受けました。
だから、谷口さんの先ほどのお話を聞いていて、大事なところをきちんと対処しようとする気持ちが伝わってきました。
谷口
一時期、コストダウン競争をどんどん進めていた時には、以前から取引がある工場と関係が良くなりすぎると、新たな競争相手を連れてきにくくなる、という、考えが広がりました。
それで、日本のメーカーの多くがサプライヤーの工場へ行かなくなったという話を思い出しました。
そのころはバイヤーとサプライヤーが密に行き来して共同で状況を改善するより、どんどん新しいところへ外注して競争させた方が、コストが下がると考えられていました。
そういうドラスティックなことをやった悪影響が残っているのかもしれません。
バイヤーはものの作り方や何がキーコンポーネンツになるかが分からないと、どこで値段を下げるべきか見当がつきません。
だから、現場へ足を運ぶのはすごく大事だと考えています。
勝田
ものづくり業界では、バイヤーが最も外の人と接する機会が多いはずです。
その中で工場訪問があっても当然だと思います。
訪問した際にどう共同改善していくかをCPFを通じて学んでいきたいわけですね。
谷口
そうですね。
訪問するバイヤーはどうしてもコストダウンや納期の短縮に目が行きがちですが、そこら辺で工場に協力してもらうためには工場の事情を理解し、同時にいろいろな点で工場の課題を解決できることを示すことが必要になります。
そういった点の大事さを分からせてくれたのもCPFでした。
つづく 4/14