企業インタビュー

テーブルマーク インタビュー

2024年3月12日

CPF(第一線監督者マネジメント資格)ホルダーのテーブルマーク 製造部の児玉様、新内様にインタビューをいたしました。

製造部 児玉 様 新内 様

※以降敬称略、所属・役職はインタビュー当時

テーブルマーク
目次

『製造部門の次世代管理職育成、技術・技能伝承の課題』と『CPFとの出会い』とは?

本日は、CPF(第一線監督者マネジメント資格)についてテーブルマークの児玉様、新内様にお話を伺います。
まず初めに、新内様の現在のお役職と業務内容ついて教えてください。

新内 製造部業務管理チームの主任として全国にある生産拠点の労務管理、労働安全、人材育成を担い、職場環境の改善に努めています。
製造部での間接業務、コーポレート系の業務を担当しています。本社に着任する前は、製造現場での経験もございます。

実際に製造の現場に赴くことや、現場の方とコミュニケーションする機会は頻繁にありますか?

新内 基本的にはメールや電話でのコミュニケーションとなりますが、タイミングが合えば実際に工場に出向くこともあります。以前は製造部全体、個人レベルを合わせると1~2ヵ月に1回以上は行っていたと思います。
しかし今はコロナの影響でなかなか行けない状況にあります。

児玉 本社サイドの製造部門として、労働安全や、品質安全、歩留まり改善など目的に応じて担当人材を配置しており、現在、新内は労働安全の担当者として何かあればすぐに工場へかけつける体制を整えています。

児玉様の現在のお役職と業務内容について教えてください。

児玉 製造部業務管理チームのチームリーダーとして製造部長のもと課長職を務めています。
業務管理チームのミッションとして、一つに工場の遵法操業があります。
労働基準法や労働安全衛生法に基づいた労働安全の確保、環境関連、下請法の順守といった分野を担っています。
そしてもう一つのミッションとして、複数の工場を持つ製造本部全体としての部門人材育成や、職場環境改善の企画立案に携わっています。
この企画立案を行ううえでCPFを手段として活用し、現在推進しているところです。

ありがとうございます。児玉様が発起人となってCPFを社内で展開されたということですね。
それでは、CPFを知ったきっかけについて教えてください。

児玉 人材育成や職場環境改善を会社の課題として捉えた場合、階層教育などの全社的な教育は本社の人事総務部門が一括して担っています。
しかし、あくまでも製造部門に特化した次期・次世代管理職の育成や、製造技術・技能の伝承といった課題に向き合う場合、そこに客観的かつ具体的な尺度が必要でした。
製造現場では、少なからず「俺の背中を見て育て」的な文化がある中で、何かしら共通の“ものさし”が必要だったのです。
そこで当時の上司と話し合い、インターネットなど色々と調べた結果CPFを知りました。
製造現場での課長職やマネジメント職はどうあるべきかを具体的に示す“ものさし”としてCPFを見つけました。

業務の標準化に活用できそうだと感じられたのですね。

児玉 複数の工場拠点がある中で、「マネジメント職の要件」として共通の一つの“ものさし”になり得るイメージを持ちました。

従前は、社内の今おっしゃっておられていたような“ものさし”等がなく、各拠点で独自のOJTなどによって人材育成を行っていたのでしょうか?

児玉 そうですね。ISO9000から始まり、今はISO22000を推進していますが、人材育成もその中に含まれています。
以前は、各拠点独自で行っている活動に横串を入れる形でした。そこにCPFを導入したことで人材育成の水平展開が図れました。

管理職要件、業務の標準化、属人的なOJTからの脱却…、CPFの魅力とは?

CPFのどのような点を魅力に感じて導入していただいたのでしょうか?

児玉 まず、他には無い内容だという点です。
生産、歩留まり改善だけにフォーカスするのではなく、製造の現場で必要なマネジメント知識を広く学べます。
工場の管理職、製造の課長職レベルに知っておいてもらいたい最低要件が押さえられていると思います。
また、資格制度であるため、管理職の要件の一つとして適切だと感じました。

現場のマネジメントに必要なスキルの一つとしてCPFを評価いただいたのですね。
その他に何か、共感した点等ございましたか?

児玉 従来から、工場の管理職の土台として、生産性向上には力を入れてきました。
当たり前に思える生産性向上の方策をCPFは論理的に示してくれています。
根本を教えてくれる教科書になると感じました。
また、製造業の現場監督者としての心得、ものごとを考える視点がすべて網羅されている点が良いと感じました。

電機、電子のような組立産業に関する記述が多いのですが、そこに違和感はなかったということですね。
他業界の取組みが参考になった点等もあったのでしょうか?

児玉 業態によって課題の突き詰め方は違うと思いますが、根本として無駄なくつくる考え方は一緒です。
内容にはどれも違和感はありませんでした。
マネジメントのあるべき姿、目指すべき方向性に腹落ちするものがあり、自社に置き換えて考えることができました。業界を越えて活用できると思います。

CPFを導入する前と後で、御社の人材育成やマネジメントに何か変化はありましたか?

児玉 CPFの導入前は、OJTが中心でした。
共通認識を持って教育する場、マネジメント品質向上のために標準化されたものがありませんでした。
CPFの導入は、教える側の得手不得手や価値観に左右されがちな属人的なOJTからの脱却に寄与し、マネジメント品質の向上と標準化するための一つの良い材料になったと考えています。

次世代リーダーの育成促進、自業務の効率化などCPF導入前後の変化とは?

CPFは貴社の、どのような階層の社員の方を対象としているのでしょうか。

児玉 各工場の次世代管理職候補、次期製造課長候補を対象に導入しました。
管理職に昇格する際の一つの指標として活用しています。
さらに、現職の管理職用として各拠点にCPFガイドを配布し学んでもらいました。

ガイドは分厚く、学習量のボリュームも決して少なくありません。
対象者の反応はいかがでしたか?

児玉 学習前、確かに対象者からの抵抗感はありました。
ただ、CPFの資格取得を管理職昇格への一つの最低要件とすることで動機づけが図れたと思います。

受験後、対象者の業務に取り組む姿勢や考え方に変化はありましたか?

児玉 社内発表会の場でその変化を感じることがあります。
この発表会は、工場強化プロジェクトの一環として行っています。
プロジェクトでは、数字も扱わなくてはなりません、全員参画を促し、周囲を巻き込む力も必要です。チームワークで結果を出そうとする姿勢も見え、CPFが次世代リーダーの育成促進に寄与していると感じます。
CPFを学んだ人材は現場のリーダーとして必要な一定の考え方を持っていると思います。ちょっとした発言からも考え方の変化は感じます。
部門内の研修や活動、発表会での意見のキャッチボールを見ても、業務の質は高まってきていると思います。

発表会についてもう少し詳しく教えてください。

児玉 発表会は5~6年前から行っています。形態を色々と進化させながら行ってきました。
始めた当時は管理職の発表の場でしたが、人材育成も兼ねて実施しているため、今は次期管理職、各工場のプロジェクトリーダーを選任して行っています。

そうした次期管理職の方々がCPFを認知していただいているのですね。

児玉 製造部門の内部研修でCPFに触れたり、各拠点にもCPFガイドを置いています。受験対象者でなくてもCPFを知る、学ぶ機会は得られているのかもしれません。

そのような対象外の方でも、CPFに触れていることで変化を感じる場面がありますか?

児玉 歩留まり改善の話をする際など、様々なフレームワークを活用した論理的な考え方や示し方が見られ、数字の扱い方を見ても自主的に学んでいるなと変化を感じることがあります。

新内様も対象者の変化は感じますか?

新内 CPF資格を取得し管理職となった人と話していると、資格を取得する前と後では考え方が変わっているなと感じる場面は実際に多くあります。
新しい知識を得ることで自業務の効率化も図れます。資格取得後は業務のやり方にもしばしば変化が見られます。“学ぶ気”がなかったのではなく“学ぶ機会”がなかっただけなのかもしれません。

試験を受けてよかったという声はありますか?

児玉 合格した人は達成感が得られたようです。
本社サイドが主導し、学びの機会をしっかり作ることで工場側もそれに順応し、教育が機能し、CPFが浸透していったのだと思います。

外部情報の獲得が不得手な企業でもCPFで外部の知見が得られる、その内容とは?

皆さんモチベーション高く取り組まれるというのは貴社の社風と感じました。
CPFを社内展開するうえで、表彰制度等はあるのですか?
また、受験対象者にはどのようなサポートを行いましたか?

児玉表彰は実施していませんが、受験費用は会社で負担しています。
各工場の次期管理職を集めた製造マネジメント育成研修の中でCPFの勉強会を実施しました。
ただテキストを与えて自主的に勉強させるだけでなく、CPF資格を取得している私が講師となり、試験対策のセミナーとして勉強会を行いました。
CPFを一つの要件、教科書として、CPF資格の取得を管理職の登竜門としてこれからも活用していきたいと思っています。

これからCPFの導入を検討している方へアドバイスはありますか?

児玉 CPFでは、製造業の現場監督、マネジメントとして知っておかなければならない大事なことが標準化されています。
たたき上げ、OJTで育てられることが多かった製造管理職にとって一つのバイブルになると思います。私自身も、今でもテキストを見直すことがあります。誰かに何かを教えるとき、何かの資料を作成するときの一つの拠り所になっています。
時代が変わっても、ものづくりの考え方や視点は変わらないと思います。 CPFは、管理職資格の一つの基準としても活用できますし、管理職昇格への動機づけにもなりますね。

新内 CPFには製造現場のリーダーとして求められることが明記されています。現場監督が学ぶための参考的な資料としてとても良いものだと思います。

児玉 私自身の立場でいうと、OJTで教えられてきたものが一般的・論理的にも正しい考えだったのか、CPFはその正当性を確認するための“ものさし”にもなります。外部情報の獲得が不得手な企業も、CPFを導入することで外の世界の知見が得られます。また、内部のOJTに頼っている、一工場ごとに属人化している人材育成の標準化も図れます。ここがCPFのメリットだと思います。

最後に、今後の目標・展望を教えてください。

児玉 現場リーダーを対象としているCPFの導入と並行して、拠点長の教育も視野に入れています。
業界を取り巻く環境の変化により、工場長や工場のNo.2に求められるものも変わってきています。 既にその立場にある、キャリアを積んだ現場たたき上げの人材を今後さらにどう育成していくのか。
ここが課題です。
工場は、言われたものをつくるだけの組織であってはなりません。
より広い視点が必要です。自律的な工場をつくっていくためにはどうすれば良いのか、次世代をけん引する工場長の育成に寄与する学びの機会も創出していきたいと思っています。

本日は、貴重なお話をありがとうございました。